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ドラッカーは大衆的でしょうか [メモ書き]

いまこそドラッカーに学べ

岩崎 夏海さん 放送作家・小説家

 米国の著名な経営学者、P.F.ドラッカーは、こんな意味の言葉を残しています。
「何が正しいかよりも、誰が正しいかに関心を持つ者は、真摯さを欠いている」
 ここ数年の政治の混迷は、この言葉が端的に表していると思います。
おしなべて日本の政治家は、真面目に任に当たっていると思います。
しかし真面目さと、ドラッカーのいう真摯さとは別ものです。
 様々な問題に様々な人が様々な意見を言います。しかし、そこには正しい声と
間違った声が交じっています。政治家は、正しいか間違っているかで判断するより、
大きな声を聴いています。何が正しいかを考えないこと、つまり信念のなさは、
すなわち真摯さの欠如です。

 では、政治の混迷は、政治家の問題なのでしょうか。やはりドラッカーの言葉を引いてみます。
「重要なのは、正しい答えを見つけることではない。正しい問いを見つけることである。」
 私は、政治家をうんぬんすること自体、問いが間違っていると思います。
ドラッカーは1950年以降、政治の政策で有効に働いたものは一つもないと言明し、
政府の役割は限定的になると述べます。政治家も官僚も役割以上のことをやろうとして
失敗したのです。

 正しい問いは、有権者が自身に向けるべきです。自己の利益を政治家に求めていませんか。
自ら解決すべき問題を政治に円投げしていませんか。政治の混迷は、雑音交じりの有権者の声に、
政治家が生真面目に答えようとした結果とみることもできるでしょう。
 
 限定的となった政府に代わる有権者の役割とは何でしょうか。ドラッカーは「社会セクター」だと説きます。
市民自ら、何が正しいかを考え、課題解決のためにつくる組織です。知日家だった彼は、
江戸時代の寺子屋など市民による教育システム、つまり社会セクターが機能し、
世界有数の識字率を誇っていたことに驚嘆し、称賛します。

 未曾有の大惨事となった東日本大地震は、日本社会に再び社会セクターの
息吹をよみがえらせる機会となるかもしれません。
 被災地では、住民がボランティアと助け合って救援や復興に当たっています。
課題解決に、ルールづくりに、地域社会の人々がときに政治の力を借りて、
チームとなって取り組んでいるでしょう。
まさにこれが市民自らローカルな要請に応える組織、社会セクターです。
政治の機能の一つとして包含されています。
 ・・・・・

(聞き手 秋山 惣一郎)  耕論 朝日新聞朝刊 4月2日 より 


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今回の津波で地域全員が避難に成功した地区が三陸であったそうです。
その地区は、常日頃から訓練を行っており、誰が誰の家に確認を行うかという手順まで
決めていたそうです。

生き残るにはまずは、近所付き合いからですね。

あと、岩崎さんいいハゲ方してる。
バーコードのオッサンとか、東電関連で出てくるあのズラかぶって出てくる官僚のオッサンと比べれば、潔いはげ方ですね。 
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腹黒ピカソ

「重要なのは、正しい答えを見つけることではない。正しい問いを見つけることである。」という言葉に共感しました。

by 腹黒ピカソ (2011-04-04 02:29) 

どいけんorDoiken

アメリカ人はどこか、分析がうまく簡潔にまとめる能力に長けていると思います。
その分、よくわかるだけ実行が難しかったりしますけれど、心がけていたいことですね。
by どいけんorDoiken (2011-04-05 00:29) 

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